はじめに・・・
多問題サバイバーの天馬と申します。
生まれついた家庭が「貧困」で「ヤングケアラー」というだけでもお腹いっぱいなのですが、もう一つ、とても大きな問題がありました。
それが、親の「信仰及び宗教活動」でした。
いやー、いいのよ。
いい年した大人でも人生の岐路に立ったり悩み事で心が押しつぶされそうになった時「藁にもすがる」というじゃない。
それで心安くなったり、生きていく元気が出れば、それ自体は良いことだと思います。
しかし、それはあくまでも「親自身」の信仰心であったり活動だと思うのです。
問題は、親の信仰している宗教やその活動をその子供にやらせていいのかってこと。
物心ついた時から、宗教の活動に連れまわされ、その教えを守るために学校行事に参加できない、友達と遊ばせない、宗教上の言いつけを守らないとしつけという名の暴力を振るわれる、あまつさえ「適切な医療を受けることもできない」となれば、どうでしょうか?
そう、天馬はエホバの証人の2世、いや「元2世」でございます。
元2世?
そう、わたくしこと銀呑天馬は17歳で家出して、やっと親の宗教から逃れることができたのです。
それから10年ほどして、友人からある本を貰いました。
「これ、あんたのことじゃね?」と。
それが、「カルトの子 心を盗まれた家族」(米本和宏著・論創社・2000年)でした。https://ronso.co.jp/book/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AD%90
当時、カルトと言えば「オウム真理教」「統一教会」等の宗教団体。
この本には、この2団体と「ヤマギシズム」という集団農業団体と一緒に、わがご実家の皆さまが信じてやまない「エホバの証人」も挙げられてました。
「ああ、私はカルトの子だったんだ!」
その衝撃ったら・・・ね。
むさぼるように本を読んで、全て腑に落ちた感覚でした。
あれから四半世紀経ち…
日々の生活に追われ、忌まわしい記憶は忘却の彼方へ・・・。
そんな時に、3年前の安倍元首相暗殺事件。
犯人の母親は統一教会の信者でした。
その後の流れは、皆さんもご存じの通りです。
繰り返される報道を眺めながら、色々な事を考えてました。
「あんな大変な思いをして脱出したのに、忘れちゃってたな・・・。」
「辛かったな、子供の頃・・・。」
「まだまだ辛い思いをしている「元カルト2世」「現役カルト2世」が沢山いるってことだよな」
忘れたかったから、忘れてたんでしょうね。
でも、思い出したらいてもたってもいられなくなり。
それが、ブログを始めようと思ったきっかけでした。
「カルト」なのか、「宗教なのか」
さて、自分語りは大概にして。
安倍元首相の事件から、宗教2世の問題はメディアで取り上げられることが増えた気がします。
少し気になっているのは、「カルト2世」という言葉から「宗教2世」という表現に変わってきていることです。
メディアが特定の宗教団体もしくは集合体を、「カルト」と名指しして訴えられたら?
訴えられるならまだしも、昔の大事件みたいに毒ガスで狙われたら?
もしくは自分の信仰している宗教や団体が「カルト扱い」されるのはたまらんという各現役信さんへの配慮?
空気読めずにごめんなさいね。
天馬は宗教上の理由で進学を制限されたので、辛うじて高卒でござんす。
だから難しいことはわからんけれど、自分の置かれていた環境が「カルト」だったのか「宗教」だったのかは、大変気になるところ。
だから、ブログを始めるにあたり頑張って調べてみることにしました。
「カルト」ってなんなのさ・・・
というわけで、カルトの定義を調べてみることに。
昭和生まれの天馬としては言葉と言えば辞書(笑)
まずは【広辞苑】
①崇拝。②狂信的な崇拝。「―集団」③少数の人々の熱狂的支持。
そいでもって【デジタル大辞泉】
宗教的崇拝。転じて、ある集団が示す熱烈な支持。
ええい!もう一つ、どうだ!【精選版日本国語大辞典】
① 祭礼儀式。② ある人、事物に対する熱狂的崇拝。また、そのような人々の集団。特に、少数で組織される狂信的宗教集団。転じて、邪教の意でも用いられる。
天馬予想では、第一義的に「宗教」かな?と思ったけど「崇拝」と「熱狂、熱烈、狂信的」、そして「少数」が共通ワードかな。
「ある人」「事物」に対する熱狂的な信仰ということかしら?
ついでに「信仰」についても調べてみた。
【広辞苑】信じ尊ぶこと。宗教活動の意識的側面をいい、神聖なもの(絶対者・神をも含む)に対する畏怖からよりは、親和の情から生ずると考えられ、儀礼と相俟あいまって宗教の体系を構成し、集団性および共通性を有する。
ながっ!
【大辞泉】(1)神仏などを信じてあがめること。また、ある宗教を信じて、その教えを自分のよりどころとすること。「―が厚い」「守護神として―する」 (2)特定の対象を絶対のものと信じて疑わないこと。「古典的理論への―」「ブランド―」
信仰については、他もほぼ一緒。
つまり信仰とか崇拝とか宗教とか、人が何かを信じることを指すようですな・・・。
そう、「崇拝」の対象は人それぞれ。
今でいう「推し」も崇拝対象かな?
日本なんて八百万の神様(なんつったて「便所」にも「貧乏」にも「米粒」まで)いるからね。
世界中の宗教絡みの戦争をみると、八百万万歳!と思えるから不思議。
まあ、宗教って教祖様とその教えに対する信仰で支えられているかと思われ。
それなら、宗教とは?
基本の【広辞苑】
神または何らかの超越的絶対者、あるいは卑俗なものから分離され禁忌された神聖なものに関する信仰・行事。また、それらの連関的体系。帰依者は精神的共同社会(教団)を営む。アニミズム・自然崇拝・トーテミズムなどの原始宗教、特定の民族が信仰する民族宗教、世界的宗教すなわち仏教・キリスト教・イスラム教など、多種多様。多くは教祖・経典・教義・典礼などを何らかの形でもつ。
長いわ、長い。目が滑る。
もういっちょ【大辞泉】
《religion》神・仏などの超越的存在や、聖なるものにかかわる人間の営み。古代から現代に至るまで、世界各地にさまざまな形態のものがみられる。
ええい、もう一つおまけだ!【日本国語大辞典】
1 仏語。宗と教、または宗の教、あるいは宗すなわち教の意。教は教説で、その教が主とするところの理が宗。
2 (英religionの訳語)(「宗」も「教」ももと仏語で、教義の流派をいったものであるが、のちreligionを訳するにあたって他の教義の信仰にもあてはめられるようになったもの)人間生活の究極的な意味を明らかにし、かつ人間の問題を究極的に解決しうると信じられた営みや体制を総称する文化現象をいい、その営みとの関連において、神観念や聖性を伴う場合が多い。原始宗教、呪物崇拝、多神教、およびキリスト教、仏教、イスラム教などの世界的規模のものがあり、多種多様。
ほう、「宗教」って仏教から派生した言葉なのね。一つ賢くなったわ。
まあ、神様や人間を超越した存在を信じること、人間の営みの中にある現象、多種多様・・・
まあいい、この辺にしといてやる!(ごめんなさい。読めば読むほどわけワカメ)
天馬的には、カルトとは「ある人(もしくは物)に対して熱狂的に崇拝活動を行う少数団体」と理解したわさ。
さあ、どっち?
では、天馬のご実家一同が信じてやまない「エホバの証人(ものみの塔聖書冊子協会)」は?
カルトなのか?普通の宗教団体なのか?
さあ、どっち?!
エホバの証人はその名の通り「聖書」ベースなので「キリスト教」のカテゴリでよかろう。
本人たちも「私たちはクリスチャンです」とHP※1で明言しているし。
※1https://www.jw.org/ja/(参照2024-12-15)
※余談だが、昔カトリック教徒の友人に自分の過去を話した時に「あれは新興宗教だからキリスト教に入れないで~(笑)」と言われ、とても衝撃を受けたことがあります。
まずは、わかりやすく数字を数えてみた。
「東京基督教大学 国際宣教センター 日本宣教リサーチの2017年度『JMR調査レポート』」よりご紹介。※2
世界のメジャー宗教は、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教、仏教、そして民族信仰(日本の神道も含まれるらしい)。
主要宗教信徒数では、世界の宗教人口(2016年)において
第1位・キリスト教(24.5億人/32.9%)、
第2位・イスラム教(17.5億人/23.6%)、
第3位ヒンズー教(10.2億人/13.7%)、
第4位・仏教(5.2億人/7%)、
第5位・中国民間宗教(4.4億人/5.9%)となっている。
ヒンズー教と中国民間宗教は、人口の多い国だからもあるんかしらね?
現時点では、キリスト教が第一位で24.5億人。
キリスト教の中でも宗派があるから、内訳は以下の通り。
第1位 やっぱり「カトリック」 12.4億人で半数を超える。
第2位 そうよね「プロテスタント」 5.5億人、22.6%。
第3位 忘れちゃいけない「東方正教会」 2.8億人、11.6%。
第4位 「その他」 3.7億人 さてこの数字にエホバの証人は入っているか、否か・・・
※2https://www.tci.ac.jp/wp-content/uploads/2015/08/JMR_report_2017.pdf (参照2024-12-15)
で、エホバの証人の信者は世界にどれだけいるんだろかね。
彼らのHPで見てみる。
・エホバの証人の数・・・239の国に881万6562人(2023年)。
→多分これは、バプテスマという洗礼を受けて「兄弟・姉妹」と言われる身分になった方たちかな。
・無料の聖書レッスンの受講者数・・・728万1212人。
→天馬の遠い遠い記憶だと「研究生」と呼ばれてる信者予備軍かな。
・キリストの死の記念式に出席した人数が2046万1767人。
→後述しますが、エホバの証人のクリスマスみたいなもん。信者、研究生、子供たち全部ひっくるめた数かと。
単純にJMRレポートと比較しようと思ったけど、2017年のデータと2023年のデータで比べたらダメなことぐらいは天馬でもわかるのすけ。
ブリタニカ百科事典を探しに行こうかと思ったけど、図書館で探すのもね・・・。
と、意外なところから面白いレポートを見つけたよ!
信仰の自由に関する国際報告書(2023年版)-日本に関する部分(在日米国大使館と領事館HPより)
※3 https://jp.usembassy.gov/ja/religious-freedom-report-2023-ja/(参照2024-12-15)
外交官ならではのレポート。思わず20ヘエを・・・(古いわね。トリビア・・・)
以下、第1節から・・・
・日本の総人口を1億2370万人と推計している(2023年中ごろの推計)
・各宗教団体の信者数は、2021年12月31日時点で合計1億7900万人宗教的帰属で見ると、神道の信者数が8720万人(48.6%)、仏教が8320万人(46.4%)、キリスト教が190万人(1.1%)、その他の宗教団体の信者710万人(4%)・・・(文化庁統計による)
・家庭連合(注・統一教会のこと)の勅使河原秀行教会改革推進本部本部長は、国内には現在も活発に活動する信者が10万人近くいると述べた(人口の約0.08%)。
ほいじゃ、エホバの証人のHPから日本の信徒数を見てみる。
・人口・・・1億2475万2000人
・聖書を教える奉仕者の数・・・21万4457人 ※未洗礼の「伝道者」も含むかしら?
・人口とエホバの証人の比率583:1(おいらの電卓だと581なんだけど・・・?)
単純計算で人口の約0.17%、彼らの計算だと約600人に一人が信者ということか?
そして、家庭連合さんのほぼ2倍。うーん・・・。
先ほど調べた辞書によると、カルトの定義は「少数」で「熱狂的・熱烈」に「崇拝」している団体・組織ってことになるけど、宗教に限定されてはいない。
そりゃそうだよね、少人数の宗教が皆カルトか?っていったら違うだろうし。
※古代ローマ時代、ナザレのイエスとその弟子たちも少数でユダヤ教の寺院で暴れたこともあるし。既存の宗教指導者たちを批判して新しい教えを広めようとしているのだから、当時だったらカルトになっちゃう可能性大。
熱狂的・狂信的に何かを信じている少数団体だって、存在する自由があるわけだし。
うーん、天馬なりに色々と調べてみたけど、何をもってカルトと定義したものかしら。
ほんと、人種とか性別とか年齢とか主義主張が幅広くてきりがない。
宗教社会学なるものがあることも、今回初めて知りました。
おかげさまで、老眼が悪化したわ!
眉間にも、室井管理官、いや容疑者室井、いやいや生き続ける者も真っ青な立皺がっ!
(そうよ、天馬は踊る~世代♪)
なんかね、インターネットの海に浮き輪を持たずに突っ込んで沖に流されちゃったみたいなので、言葉をこねくり回すのはやめにします。
自分の経験から、「カルト」とはなんぞやを考えてみます。
カルトとは②へつづく・・・